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日本内分泌学会学術総会「活動報告」

睡眠時無呼吸症候群の治療により体重減少と代謝状態の改善を認めた,肥満2型糖尿病の1例

医療法人 金沢内科クリニック
下田圭一,木嶋祥麿,田中俊一

<抄録>
2型糖尿病と睡眠時無呼吸症候群(SAS)の合併頻度が高いことが報告されている。今回SAS治療により,体重減少と共に血糖,脂質,血圧など代謝因子が著明に改善した1例を経験したので報告する。

症例:38歳・男性。家族歴:父に2型糖尿病と高血圧。病歴:35歳時に健診にて高血糖を指摘され,口渇の自覚もあるため当院初診。このとき,体重115kg(BMI=38.4)と高度肥満あり,HbA1c 10.1%,LDL-C 199mg/dlとコントロール不良の糖尿病,高脂血症を認めた。pioglitazoneとatorvastatinの内服治療により血糖,脂質の改善を認めるも,体重コントロールは困難であった。経過中夜間のいびきが強いことが判明し,睡眠ポリソムノグラフィー(PSG)施行にて,無呼吸低呼吸指数(AHI)が53.4と重症のSASを認めた。持続陽圧呼吸療法(CPAP)の有効性を確認し,外来にて治療を継続した。CPAP導入にてAHI=4.0と睡眠時の呼吸状態の改善を認めた。導入半年後に,体重は100kg(BMI=33.4)まで改善し,糖尿病と高血圧の薬剤が減らせ,高脂血症薬の投与が不要になった。以降もHbA1c 5.0%前後,LDL-C 100mg/dl程度に維持されている。

考察:2型糖尿病とSASは相互に悪影響を及ぼしていると考えられる。本症例ではSAS治療にて睡眠を改善したことが,減りにくかった体重を減少させ,代謝状態の改善も見られた。肥満2型糖尿病においてはSASの合併率が高いが,積極的に検査・治療を行うことで互いの病態を改善し,患者の生活の質の改善,更には血管合併症の予防につなげていけると考える。


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